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尾道らーめん 麺屋壱世

代表
木村康雄 さん

広島の尾道ラーメンの雄
ついつい食べたくなる優しい味

人気の尾道ラーメンと温かいお店の雰囲気が評判で多くのお客さまに愛されているラーメン店、南区蟹屋の「尾道らーめん 麺屋壱世」。熱々の調理や手作りで丹精込めたこだわりの一杯。代表の木村さんのラーメンへの熱い想いとは?…ジャックが聞かせていただきます。

飲食業の世界に進まれた理由をお聞かせください

木村さん

広島市安佐南区出身で、1979年生まれの43歳です。広島市立安西小学校、広島市立沼田高等学校、広島経済大学の経済学部を卒業しました。大学卒業後は、資格教材販売会社に就職しました。大学生のときに国家資格でもある、総合旅行業務取扱管理者を取得しており、旅行業務資格講座の他にもパソコンの資格などを教えるようなサポート業務もやっていました。
あるとき、会社が新たに飲食事業部を立ち上げることになり、私は、その業務担当に抜擢されました。学生時代も飲食店でのアルバイト経験はなかったので、飲食業務に関わったのはそのときが始めてでした。
会社も飲食店のノウハウを持っていなかったので、ラーメン業態のフランチャイズに加盟することになり、いくつかの候補の中から、福山市の「味の蔵」さんを選びました。
一般的なフランチャイズは、スープや麺などパッケージされたものが支給されますが、「味の蔵」さんでは、レシピやノウハウを元にスープの仕込みから自分たちで作るものでした。この経験が後に自分でラーメン店を出店するときにとても役に立つことになりました。

インタビューに答えてくださる木村さん…180cmを越える長身でいらっしゃいます!

ラーメン店のスタートですね、開業までの足跡はどうでしたか

木村さん

最初の店舗は矢野町に、業績も順調だったので、すぐに2店舗目を五日市に出店し、二つのお店の店長を5〜6年ぐらい兼任していました。
しかし、会社の業績は、飲食事業は順調でしたが、本部の方はあまり良くなく、私は自分のお店を開業することも考えて退社しました。
そして、開業準備をしながらアルバイトでさらにお金を貯め、35歳になった頃、2015年9月に「尾道らーめん 麺屋壱世」をオープンしました。お店は、今年で8年目を向かえています。

毎日、見事な手さばきで鍋を振ってチャーハンを炒めます!

開業に際して困ったことや苦労したことはありましたか

木村さん

2店舗の新規店舗立ち上げの経験があったおかげで、オープンの過程はある程度分かっていました。そのため、あまり困ったことはありませんでしたが、物件がなかなか見つかりませんでした。
私は、場所選びには、とてもこだわっていたのですが、仕事を辞めて収入が少なくなっていたせいで、なるべく早くに決めなければというプレッシャーはありました。

厨房は、常に清潔に整理整頓されています!

物件はどのように探しましたか

木村さん

不動産会社にお願いしたのはもちろんですが、自分で市内を自転車でうろうろして、空いているお店はないかなと探したりもしました。以前の職場でお世話にあった厨房屋さんや酒屋さん、食材卸の会社などにも声をかけていろいろ紹介していただきました。
お店の場所は、マツダスタジアムの近く、大洲通りに面したところにあるのですが、選んだ理由は、車や人通りも多く、視認性がとても良いことです。プロ野球のシーズン中は多くの人で賑わっており、お店を知ってももらうきっかけにもなっています。
また、お店の大きさも席数も15席ぐらいで、ちょうどよいかなと思って決めました。

お店はマツダスタジアムのすぐ近く、大通りの大洲通り沿いにあります

料理の特長やメニューについてお聞かせください

木村さん

尾道ラーメンを提供していますが、お客さまの好みに合わせて、基本の味の他、こってり、あっさりとバリエーションをつけてメニューにしています。季節によっては、あっさりといただける冷たい麺などもメニューに加えています。
サブメニューではチャーハンが人気です。ラーメンとチャーハンがセットになっている半チャーハンセットがよく出ますね。

正統派の尾道ラーメンに壱世さんならではのアレンジを加え飽きのこない味わいに!

料理のこだわりをどうでしょうか?

木村さん

こだわりは、温度です。熱々のものを召し上がっていただきたく、ラーメンはもちろんですが、唐揚げやチャーハンなども注文が入ってから作ります。少し時間がかかってしまうのですが、唐揚げも前揚げをせず、粉をつけて揚げるところからやっています。
また、麺以外のもの、スープやチャーシュー、背脂、メンマ、唐揚げなども、全て手作りで、お店でひとつひとつ丁寧に仕込んでいます。
スープは、毎日、営業時間中からずっと炊いています。尾道ラーメンは、鶏ガラスープが基本ですが、当店では、広島の人にも合わせて少し豚骨を加えています。

人気のチャーハン…香ばしくパラパラに仕上げています

お客さまに支持されている理由は何だと思いますか

木村さん

一つは、味が安定していることだと思います。常に同じクオリティーのものを出すことを大切にしています。
商品づくりとしては、少し依存性のあるものがウケるのかなと思います。うちのラーメンは、一回食べて絶品と言うよりは、何度か食べていくうちに何となくまた食べたい味だと思います。ラーメンは飽きやすいものなので、インパクトより、継続的に支持される飽きのこない味を目指していることが良かったのかなと思います。

毎日、同じことの繰り返しですが、丁寧な仕事を心がけていると木村さん

店舗経営していく上で大切にしていることをお聞かせください

木村さん

継続性ですかね。毎日、同じことの繰り返しなので、疲れるし飽きもきますが、やり続けることが大切だと思います。あとは、真面目によく働くことですかね(笑)。
スタッフさんも何年も一緒にずっと働いてくれるので、人が足らないとか辞めることで困ったことは特にないです。スタッフさんという感覚はあまりなく、一緒に働いている人たちという認識が強いですね。もちろん、働きやすい環境や人間関係を築くことは重要だと思います。

スタッフさんにとっても働きやすい環境・関係・職場づくりを目指しています!

今後のビジョンについてお聞かせください

木村さん

お店を展開していくことはあまり考えておらず、今のこのお店をもっと繁盛させたいと思っています。今は、幸いなことにお客さんによく来ていただいているので、仕込みに限界があることや身体がついていかないこともあり、なかなか次の展開が考えられないですね。どうしても現場が好きなので、できるだけ調理には関わっていたいですし…。(笑)

壁にはカープ選手のサイン色紙がずらりと貼ってあります

これらから飲食店開業を目指している方にアドバイスがありますか

木村さん

開業資金を持つことや調理経験はもちろんですが、らくをしようと思わないことですかね。独立したら自分の好き勝手ができて、好きな時間もできるイメージがあるかもしれませんが、それは全く違いますね。死に物狂いでお店ができるかどうかですね。

お店は多くのお客さまで賑わっていますが、ホームでのカープ戦があるときはもっと盛り上がります!

ジャックのひとこと

ジャック

飲食店の廃業率は、2年で5割、5年で7割、10年で9割と言われており、お店を繁盛させ長く継続させることは多くの飲食店の課題になっています。
経営をする上で、まず把握しなければならないのは、数字を知ることです。数字とは経営において必要となる日々の売上げや経費などのことで、材料費や人件費などがそれに含まれます。
経営は、売上げ-経費=利益ではありません。たまたまの売上げからたまたまの経費を引いて、たまたま利益が残ったというものではありません。
経営は利益=売上げ-経費。目標とする利益はいくらか、そのために必要な売上げはいくらか、その目標利益にするためには、どのように経費を引いて利益を残すか。経営は、計画的にコントロールすることを言います。

麺屋壱世さんは、無駄な出費を極力抑えたとても堅実な店舗運営をされています。常連さんもつき安定してお客さまがいらっしゃいます。スタッフさんも働きやすい環境で継続的に仕事をされているのも魅力ですね。

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