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炭焼き居酒屋 炭家

代表
松浦孝宜 さん

日向鶏をメインに備長炭で丁寧に
焼き上げるこだわりの焼き鳥

自宅のようにくつろぎながら旬の食材や鶏肉の旨味溢れるジューシーな焼き鳥をリーズブルに味わえる東広島市八本松の「炭焼き居酒屋 炭家」。焼き鳥の奥は深く、鶏肉の目利き、さばき、串打ち、炭焼き、タレ作りなど、毎日の丁寧な仕事が大切と語る代表の松浦さんの飲食業への熱い想いとは?…ジャックが聞かせていただきます。

飲食業の世界に進まれたきっかけをお聞かせください

松浦さん

庄原市東城町出身で。1988年生まれの35歳です。地元の小学校を卒業後、北広島町にある広島新庄中学校・高等学校に進学しました。高校を卒業後は、大阪の大手門学院大学で経営学を学びました。中学高校では卓球やテニスなどの部活をやっていましたが、大学では、音楽の部活、クラシックギターに夢中になっていました。
大学生の頃にフランチャイズの大手居酒屋でアルバイトをしたのがきっかけで飲食業界に興味を持ち始めました。母は、理容師で接客サービス業でしたし、叔母は給食調理員だったこともあり、私も料理をやってみるのも楽しいなあと思っていました。

インタビューに答えてくださる松浦さん…焼き鳥店を開業する前は俳優さんです!

大学卒業後から開業までの足跡をお聞かせください

松浦さん

大学卒業後、サラリーマンになりたいという感覚があまりなく、俳優業を目指して芸能事務所に所属しました。しかし、この世界では難しいと自覚し、25歳を区切りに退所しました。
しばらくの間、不動産会社でも働いていましたが退社して、大きく環境を変えるために上京することにしました。
俳優業をやっていた頃には、いろいろなレッスンを受けるために、いろいろな飲食店のアルバイトを掛け持ちしながらやっていましたが、やはり飲食店がやりたいと「カミナリ屋」という焼き鳥店でアルバイトを始め最終的に就職しました。
店舗の新店開業にも携わるようになり、次第に自分のお店を持ちたいと思いはじめたときに、母の実家の理容室を閉めると聞き、その場所で2018年の3月に「炭焼き居酒屋 炭家」をオープンしました。

こだわりの焼き鳥は、備長炭を起こし丁度良い頃合いに焼き上げます

店名の炭家さんにはどのような意味合いがありますか

松浦さん

炭家は「すみか」と読みますが、炭にもこだわった焼き鳥であることと、人が住む「住みか」とを掛け合わせて店名にしました。人が気軽に集まれるお店づくりを目指しています。

お店は、お客さまが気軽に来店していただけるよう、あたたかい雰囲気づくりを心がけています

開業に際して困ったことや苦労したことはありましたか

松浦さん

店舗の場所探しは、すでに決まっていたので、苦労はありませんでしたが、やはり開業時が一番、大変でした。
一番苦労したことは、スタッフへの教育でした。開業時には、オープン前にスタッフが集まらず、オープンしてからスタッフが集まりました。高校生も雇っていたのですが、彼らは学校が終わってからの出勤となるため、営業中に来ることが多く、きちんと教育を受けないまま、すぐにお店に立ってもらっていました。当然、接客やオペレーションが上手く回らず、お客さまにとても迷惑をかけてしまいましたし、彼らスタッフにも申し訳ないことをしました。

遠赤外線効果の火力の高い炭火で旨味を閉じ込めながらジューシーに焼いています

他にはどのようなことがありましたか

松浦さん

お客さんが何を食べたいか、顧客のニーズを掴むまでは長く苦戦しました。日替わりメニューに出しながら、人気のあるものをグランドメニューに組み込んでは、よく変えていました。メニューがよく変わるので、仕込みが変わり、スタッフに教える手間が増えたことやスタッフもキッチンをなかなか覚えられないなど悪循環も生まれました。

焼き鳥以外にも肉巻きや旬の野菜焼きなど、いろいろなメニューが楽しめます!

料理の特長やメニューについてのこだわりをお聞かせください

松浦さん

焼き鳥の鶏肉は国産鶏にこだわり、九州の日向鶏をメインに使用しています。低脂肪で低カロリー、さらに低コレステロールと健康に配慮された肉質となっていて、クセが少なく食べやすい鶏肉です。
店名にもしている炭は、備長炭を使用しています。遠赤外線効果が高く火力が強いため、外はカリッと中はジューシーに焼き上げることができます。
また、お客さまと会話を楽しめるよう、話しやすいお店づくりや雰囲気づくりをしています。

人気の「もも串」は、旨味が凝縮されていて、ジュワッと肉汁が溢れます!

人気のメニューはどのようなものがありますか

松浦さん

定番の「もも串」はよく出る商品ですが、希少部位の「白レバー」もおすすめです。白レバーは、一般的なレバーよりも脂肪分が多く少しトロッとしており、ふわっとした食感となめらかな舌触りでコクがある味わいが特長です。

おすすめの「白レバー」は、トロッとした食感でフォアグラのような、なめらかな舌触り!

お客さまに支持されている理由は何だと思いますか

松浦さん

お客さまの多くは、サラリーマンの方やご近所の方々です。お客さまに居心地の良さを感じていただけるように、住みかになるように、帰って来ていただけるように心がけてきました。そういったあたたかい雰囲気を感じていただけたことですかね。

さばき、串打ちと仕込みには時間がかかりますが、丁寧な仕事を心がけています

店舗経営していく上で大切にしていることをお聞かせください

松浦さん

スタッフとのコミュニケーションを大切にしています。基本的にスタッフを怒ったりすることはありませんね。もし仮に失敗してもその後にどうすべきか考えてもらうようにしています。スタッフさんが働きやすい環境をつくりたいと取り組んでいます。

お肉にある余分なスジを取り除きます…このスジもタレなどに加え無駄にしません

今後のビジョンについてお聞かせください

松浦さん

炭火で焼いた「骨付きもも肉」のネット販売をはじめようと準備しています。炭家自慢のタレで味付けし、じっくりと蒸し焼きにすることで、口に入れた瞬間、骨付もものうまみが広がります。今は、販売準備中ですが、なるべく早めに販売していきたいです。

自慢の壺ダレ…毎日、継ぎ足しながら育てたコクと旨味たっぷりのタレです

これから飲食店を開業される方に先輩としてアドバイスがあれば

松浦さん

しっかり準備をして計画的に進めることですかね。例えば、スタッフ教育。私は、自分が直接、指導すれば良いと思っていたので、スタッフ教育のマニュアルを作っていませんでした。しかし、これは大きな間違いで、実際は自分にこんなに時間がないとは思ってもいませんでした。接客にしてもメニューしても基準となるものをきちんと決めておくことは大切ですね。

炭家さんは。JR八本松駅北口を出てすぐ、徒歩1分にあります

ジャックのひとこと

ジャック

お店の初回来店動機は、料理や話題性などですが、お客さまがリピートするかは、さらに接客サービスやお店の雰囲気、お客さまの利用動機によって決まると言われています。
特に接客は重要で、接客が悪ければ、どんなに料理に満足していてもマイナスのイメージしか残りません。実際に接客サービスの悪いお店のほとんどは繁盛できていません。
そのため、どのスタッフでも最低限できる接客サービスを基準として、それにプラスしてさらに目配り、気配り、心配りができる接客を心がける必要があります。
そのためには、まずは接客マニュアルや清掃マニュアル持つこと、調理基準表や仕込み基準表なども店舗規模やスタッフの人数関係なく、一人でお店を経営していたとしても作成しておかなければなりません。
「炭家」さんは、お客さまの居心地の良さを大切に、松浦さんの穏やかな人柄やあたたかい雰囲気づくりで、お客さま一人一人に満足いただける接客サービスを心がけておられます。
飲食店は、サービス業であるため、お客さまへのホスピタリティ精神がとても大切ですね。

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