case.28
有限会社 スリーアロー
代表取締役
田中夏奈 さん
質感や陰影までもリアルに再現
まるで本物のような食品サンプル
本物そっくりの料理やお菓子などの食品サンプルを制作・販売している安佐北区口田南の「有限会社スリーアロー」。食品サンプルは、私たちの豊かな食文化を鮮やかに演出しつづけてきました。そして、その特殊な制作技術は今も、職人たちによって継承され進化を続けています。父親の会社を継ぎ、代表として日々奮闘する田中社長の食品サンプルへの想いとは?…ジャックが聞かせていただきます。
スリーアローさんは、どのような会社ですか
田中さん
名前の由来は、2002年2月に父は3人で開業しましたので、広島ゆかりの毛利元就の「三本の矢」を社名にしたと聞いています。飲食店などで見かける料理の模型「食品サンプル」をゾルと言われる塩化ビニールを使って本物さながらに再現して販売、レンタルリースをしています。
インタビューに答えてくださる田中社長…もともとは看護師さんでしたが、家業を継いでいらっしゃいます
田中社長の経歴をお聞かせください
田中さん
広島市安佐北区出身で幼い頃からずっと広島で育ちました。口田小学校・中学校を卒業して、広島文教大学附属高等学校に進学しました。子どもの頃から「白衣の天使」といわれた看護師に憧れていた私は、安佐准看護学校で准看護師の資格を取得し、看護師として20年近く働き、3人の子どもにも恵まれ、平穏な日々を過ごしていました。が、コロナ禍が大きな転機となったのです。
今までと勝手が違う業界だけに苦労することも多いそうです
家業の食品サンプル会社を継いだきっかけは何でしたか
田中さん
継いだのは3年ほど前、新型コロナウイルス感染症が始まった頃です。会社の経理などを担当していた母が病で倒れてしまい、事務仕事ができる人がいなくなってしまったのです。コロナ禍の影響で売上げは下がる一方でしたし、会社の危機をどうにかせねばと思い、継ぎました。サラリーマンの夫は反対気味でしたが、私は従業員や父を助けたいと決心しました。
まるで本物!チキンの質感や色味・陰影までも忠実に再現されています
コロナ禍の影響で、会社経営は大変だったのですね
田中さん
大口のお客さまもあり、それまでわりにうまくまわっていたようでしたが、コロナ禍は大打撃でした。飲食店の新規出店も減り、レンタルリースの契約もなくなっていきました。
また、ロシアのウクライナ侵攻あたりから始まった原油の高騰でシリコンや塩化ビニールなどの価格がどんどん上がってしまいました。全てにおいて仕入れ価格が上がったことで材料原価がかかり、いろいろと対策が必要になっています。
お刺身の食品サンプルを組み合わせ海鮮丼ができあがっていきます
代表取締役になって困ったことや苦労したことはありましたか
田中さん
それまで看護師だったので、営業はもちろん、食品サンプル制作も全く経験のないことばかりでした。資金確保、借り入れや賃金交渉などから始めて、補助金を活用して設備を整え、食品サンプルの体験教室なども始めました。
3人の子どもたちは小学生と5歳で、まだ手がかかる年です。子どもを預けて仕事をしていますが、やはり両立させるのは大変ですね。
食品サンプルの色味は、現実よりもより美味しそうに見えるよう、微妙な調合を繰り返しながら作っていきます
どのような商品サンプルを作っていますか
田中さん
飲食店のメニューをはじめ、お弁当やお菓子なども制作しています。体験教室では、簡単なアイスクリームやパフェ、少し制作時間がかかる親子丼やカレーライスなどに人気があります。蝋を使って作っていた昔ながらの製法が体験できる天ぷらやレタス作りも用意しています。
この体験教室は予約制ですので、会社へお電話いただくか、ホームページよりお申込みいただければご参加いただけます。
体験教室では、パフェやアイスクリーム、丼などの食品サンプルづくりを気軽に楽しむことができます
店舗経営していく上で大切にしていることをお聞かせください
田中さん
食品サンプルは日本で生まれ、日本独自の文化として成長してきましたが、時代の流れとともに多くが廃業していっています。このまま無くしてしまうのは、残念なことだと思っています。これからもこの技術を継承して、今までと同様にクオリティーを保ちながらリアルを追求し、より本物に近い食品サンプルを作っていきたいと考えています。
体験教室でも制作可能な親子丼やカレーライス…スタッフさん指導のもと初心者でも上手にできます!
今後のビジョンについてお聞かせください
田中さん
県外からの観光客、外国人観光客を対象にしたアイテムを作って販売していきます。駅や空港などのお土産コーナー、街中にもショップ展開をしたいですね。
企業に対しても食品サンプルを使ったノベルティーグッズを提案していきます。例えば、自社の商品をモチーフにしたキーホルダーやストラップなど、オリジナル商品の開発と販売を軌道に乗せたいですね。
体験教室では、小さなお子さんでも楽しんでいただけるように食品サンプルのパーツも多数取り揃えてあります
これらから起業を目指している方に、アドバイスがありますか
田中さん
私は起業ではありませんが、守って行かなければという思いが強く、このままではなく何か変えていかなければと日々奮闘しています。起業でも承継でも人脈づくりはとても大切だと思います。そのためには、ネットワークを広げる術を習得したいですね。起業するときにも、相談できる人や助けてくれる人がいてくれるだけで、気分も楽になりますから。
食品サンプルは、商業美術と言われ、その卓説された技術には目を見張るものがあります
ジャックのひとこと
ジャック
ビジネスを継続するためには、時代の流れを読み、顧客のニーズに応えることが重要だと言われています。特に、飲食店は流行に影響されやすい傾向があり、その波はとても激しいと言えます。ですから、常にアンテナを立てリサーチして、タイムリーに商品開発・販売していくことが大切です。
スリーアローさんは、なかなか真似ができない特殊な制作技術を活かしたビジネスを展開されています。時代の流れとともに、その商品価値に対して市場規模や需要は低下してきていますが、新しい客層や市場をターゲットに新しい事業展開に取り組んでいらっしゃいます。
ジャックもそんなチャレンジ精神をしっかり見習います!食品サンプル、とても好きです!
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店 名 | 有限会社 スリーアロー |
住 所 | 広島県広島市安佐北区口田南3-21-40-1 |
電話番号 | 082-840-0202 |
営業時間 | 10:00~17:00 |
定休日 | 土・日・祝日 |
ジャンル | 食品サンプル制作・販売 |
WEB | https://threearrow-hiroshima.com |
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