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ビジュエルパフェ

代表取締役
伊藤搖峯 さん

宝石店がプロデュースする食べる宝石スイーツ店
ラグシュアリーなコンセプト「食べる宝石スイーツ」

いつもと違うキラめく空間でひとときのプリンセス気分が味わえる南区東雲の「ビジュエルパフェ」。パフェをはじめ、メニューはもちろん、内装までカワイイがたくさん詰め込まれています。非日常的なキラメキを演出する伊藤社長のパフェへの想いとは?…ジャックが聞かせていただきます。

伊藤社長の経歴をお聞かせください

伊藤さん

広島市出身で段原小学校・中学校から広島県立広島商業高等学校に進学しました。卒業後は、車の電子部品製造会社へ就職して営業事務として勤務しました。その後、人材派遣会社や足つぼマッサージの会社でも働きましたが、結婚を機に今の宝石の仕事に携わるようになりました。「株式会社Jewelry 伊藤」は、義理の父が1977年に創業し、2014年に法人成りしてからは私が代表取締役を務めています。

伊藤社長のテーマカラーはピンク!洋服やアクセサリーをはじめ車までこだわりのピンクです1

宝石店を経営するきっかけは何でしたか

伊藤さん

私が第一子を妊娠したときに、母の体に癌が見つかったことでした。家族と話す機会が増え、次第に義父の会社をどうにかしたいと思うようになったのですが、私の出産後に母は他界してしまいました。
私の両親は果物店でしたので、子どもなりに商売を続けていくことがどれほど大変かということは知っていました。義父は15歳の頃から宝石職人ですが、今の時代にあった営業展開も必要だと感じており、2011年からり私も経営に携わりいろいろな取り組みを始めました。

宝石職人がいる宝石店として創業46年…熟練の技が光っています

宝石店の経営は大変だったのではないですか

伊藤さん

義父から学ぶことも多く、最初の3年間はがむしゃらに働き、義父の技術だけに頼っているだけでは、いつまでも続かないと感じました。
また、代表になったことで会社や従業員を守る責任が出てきたこともあり、将来的なビジョンを考えるにつれ、どこかのタイミングで別の事業も展開したいと思うようになりましたが、それが何かは分からないままでした。
子どもの1/2成人式の時に、将来、宝石職人になりたいと言ってくれ、宝石に関係する何か新しいビジネスをと、より強く思うようになりました。

宝石店の代表となり新事業としてパフェの経営もはじめられたそうです

パフェを開業されるまでのいきさつをお聞かせください

伊藤さん

新型コロナウイルス感染症のまん延で緊急事態宣言が出て、宝石店の営業を自粛するようになってしまいました。すぐに収まると思っていましたが、状況は次第に悪化し、アメリカの大手アパレル会社が倒産したこともあって、ジュエリー業界を思うと不安は募るばかりでした。
ニュースで、テイクアウトやデリバリーに力を入れる飲食店が増え、パフェのテイクアウトをしているカフェが紹介されていました。そのときに、頭の中で点が線となってつながり、私が次にやりたいことは「宝石カフェ」だとひらめいたのです。

まさに食べる宝石スイーツ!見た目も華やかで美しい!

すぐに物件は見つかりましたか

伊藤さん

物件を探していたところ、近所の仏壇店が空きテナントになっていました。あまり良いとは思っていなかったのですが、店内は広く天井も高く、宝石店とカフェを隣接して営業出来るので、気に入りました。すぐに契約をして宝石店の工事にかかり、営業を始めながらカフェの工事を行って、半年後の2021年の2月21日オープンしました。

ヨーロピアンスタイルの非日常的空間…貴族になった気分です(笑)

開業に際して困ったことや苦労したことはありましたか

伊藤さん

飲食店経営は初めてでしたから、どのようなパフェにするかは、はっきりと決まっていませんでした。宝石店ならではのオリジナリティー溢れるパフェを目指して試行錯誤しました。そして、パフェの中に空洞をつくり、その中に宝石に見立てたアイスが入っているデザインに決定、このパフェのデザインは意匠登録をしました。パフェのデザインが決まったら、次はグラス選び。グラスは、本当にたくさん買って試しましたね。

パフェの中央の空間に宝石に見立てたアイスが入っています…素晴らしいアイデア!

オープンした当初は、どうでしたか

伊藤さん

開店当初はかなり、食材ロスを出してしまいました。宝石と違い、フルーツやクリームなどフレッシュなものは賞味期限があるため、適切な量を見極める大切さを失敗の経験から学びました。今ては、メニューをある程度絞るなどして、食材を余らせない工夫をしています。
また、雇用に関しても手探りでした。オープンさせることだけが目的となってしまい、不安や焦りがあったり、私が上手くまとめられなかったり…協力してくれたスタッフには感謝しかありません。

パフェのデザインの意匠登録をはじめ、ピンクダイヤパフェなどにも商標登録されています

ビジュエルパフェさんは、どのようなお店ですか

伊藤さん

「宝石のスイーツ」を食べていただくことがコンセプトなので、その雰囲気を感じていただけるよう、店内はヨーロピアンスタイルでの非日常的な空間にしています。店内はレンタルスペースとしても提供しています。

家具などの調度品もお店の優雅な雰囲気を演出しています

どのようなパフェが人気ですか

伊藤さん

一番人気は、ストロベリーとフランボワーズのピンクダイヤパフェ。召し上がっていただくときに願いごとを唱えながらソースをかけます。そして、付いているリボンに願いごとを書いて入口のハートのオブジェに結んでいただいています。パフェにはローズクォーツのハート型お守りもついており、お客さまにとても好評です。

写真映えはもちろん、クリームやアイスなどのクオリティーにもこだわっています

どのようなお客さまが多いですか

伊藤さん

オープン当初は年齢層の高いお客さまを想定してたのですが、「ヌン活」と言われる「アフタヌーンティー活動」がブームになったことで少し変わりました。「ヌン活」は、ホテルやカフェなどで提供されるアフターヌーンティーサービスを楽しむ活動のことを指し、まるで英国の貴族になったかのような非日常的な気分を手軽に味わえることから、特に若い女性を中心に人気を集めています。
また、「推し活」と呼ばれるアイドルやアニメのファン活動としてカフェでイベントをされるお客さまも増えています。

小さなお子さんを連れたお母さん方も多くいらっしゃいます

店舗経営していく上で大切にしていることをお聞かせください

伊藤さん

「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の「三方良し」を大切にしています。売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできることが理想の商売像だと思っています。
一緒に働いているスタッフはもちろん、私に関わる人全てが幸せになって欲しいと願っています。

毎日、経営者として学ぶことが多く、日々奮闘しているそうです

今後のビジョンについてお聞かせください

伊藤さん

店内飲食に関しては、季節に合わせたメニューを増やす程度で大きく変わることはないのですが、今後は、店外売上げを伸ばしていきたいと考えています。特に焼き菓子の販路拡大をしていきたいですね。
プレスパフェサンドは見た目も味も麗しい「食べるダイヤモンド」で誕生石アクセサリーとセットでも販売しています。
また、今後は、新商品としてフィナンシェやチョコレートなどギフト用のスイーツも作っていきたいと思っています。

誕生石にちなんで開発した「プレスパフェサンド」ひとつひとつ店内で心を込めて手焼き製造しています

これらから飲食店開業を目指している方に、アドバイスがありますか

伊藤さん

何事にも言えることですが、自分のウリが何なのか明確にすべきだと思います。一般消費者から見える分かりやすいものであれば、お客さまに選んでもらいやすくなると思います。
価格競争は避けるべきですね。価値を売ることがとても大切ですし、経営者としての考え方を持つことや勉強することも重要だと思います。

パフェはご予算と人数に応じて作ることも可能だそうです!

ジャックのひとこと

ジャック

飲食店に限らず、ビジネスをする上では、自社の強みを活かし差別化を明確にし、それが十分に活かせるポジションで戦わなければなりません。強みと差別化を一緒に考えてしまいがちですが、差別化はお客さまが判断するものであり、お客さまから見て明らかに他店との差異がなければ意味がありません。
ビジュエルパフェさんには明確なコンセプトがあり、自店の強みを全面に打ち出した差別化があります。また、コンセプトにはいくつもの点が線につながっているように、一貫性がありブレておらず、強みも真似ができにくいため、優位な立場でブランディングができています。
さらに、伊藤社長の行動力で日々の営業活動に取り組んでいらっしゃいます。ジャックもそんな経営姿勢をしっかり見習います!

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