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やきとり大吉 新井ノ口店

店主
八島洋二 さん

焼き加減と串のメニューにこだわったリーズナブルな焼き鳥
フランチャイズでありながら独立生産性のビジネスモデルも魅力

「やきとり大吉新井口店」は、開業して30年を超え、地元のお客さまをはじめ常連客さんに長く愛されています。創業以来継ぎ足しながら守り続ける「秘伝のタレ」を楽しむのもよし、「塩」で素材を生かした味を楽しむのもよし。お客さまに満足して喜んでいただきたいと語る八島さんの思いとは?…ジャックが聞かせていただきます。

飲食業の世界に進まれた理由と開業までの足跡をお聞かせください

八島さん

広島市出身、1963年生まれの59歳です。両親が住み込みで製麺所に勤めていたので、私もそこで育ちました。両親や従業員さんの仕事ぶりに惹かれ、小学校の卒業アルバムには製麺所で働きたいと書いているんです。
子どもの頃から飲食業や食品加工には興味があり、高校を卒業するとヒロコシ株式会社に就職、グループ店の「民芸食事処 八雲」や居酒屋「え~ぞ鮮や」などに20年間勤めました。
その後は東広島市の焼肉店に5年、さらに廿日市の料亭に2年、そしてこの「やきとり大吉 井之口店」で約10年働きました。体調不良に悩んでおられた大将にお声掛けいただき、2020年2月に引き継がせていただきました。

気さくにインタビューに応えてくださる八島さん…はちまきがとてもお似合いです!

なぜ、焼き鳥店を開業しようと思いましたか

八島さん

大将の信頼に応えたいと思ったのが一番の理由です。焼き鳥など火を使う料理は、食材にかける費用も食材ロスなど管理についても鮮魚のような問題は起きにくいことも魅力でした。本部からも「生もの」は扱ってはいけないと指導もあり、いつも食中毒や衛生管理は徹底しています。

美味しく召し上がっていただくために、お客さまのペースに合わせて焼き物を提供しています

やきとり大吉さんは、どのようなお店ですか

八島さん

大阪に本社を置くダイキチシステム株式会社が全国展開する焼き鳥店です。店舗は全てフランチャイズで、住宅街などを中心に狭い商圏に出店しています。仕入れやメニュー構成・焼き鳥のたれ作りなどを店主の裁量に委ねており、オリジナルメニューを本部に申請し許可が下りれば、自店で提供することも可能です。併せてロイヤリティを固定とすることで、店主の独立を促す事業形態が特徴です。

毎日一串ずつ丁寧に仕込み、お客さまの前で焼き上げています

客さまはどのような方が多いですか

八島さん

平日はサラリーマン、週末はカップルや家族連れが多いです。焼き鳥や居酒屋としては禁煙にするかどうか悩んだのですが、もともと家族連れが多かったことやアルバイトでも未成年を採用できないことなどを考慮して禁煙にしました。お子さんも安心です。

ほとんどのお客さまから、店主の焼いている様子が見えるつくりになっています

料理の特長やメニューについてのこだわりをお聞かせください

八島さん

安い串は120円から、高い串でも220円と、かなりリーズナブルな価格で提供しています。常時、串は25〜30種類を用意、ひと手間かけた「ねぎバンバン」や「辛トマト」などの串は大吉オリジナルで人気メニューにもなっています。ちなみに「ねぎバンバン」はねぎに大吉オリジナルの塩ダレをかけた串で、私も好きですよ。

八島さんもオススメの「ねぎパンパン」塩ダレにたっぷりとねぎがかかっています

開業に際して困ったことや苦労したことはありましたか

八島さん

仕事の面では特に困ることはありませんでしたが、お金の管理や経営のことがよく分かりませんでした。本部の方や仕入れ業者さんに相談したところ、最終的に飲食店に強い税理士さんを紹介していただきました。特に開業資金などの借入がネックになっていましたが、無事に融資を受けることができました。

「かわしお」はカリッとした食感が特長。レモンを搾ってさっぱりといただきます

開業してからは、どうでしたか

八島さん

やはり、コロナ禍です。自分がお店を引き継いでしばらくは順調でしたが、緊急事態宣言で休業を余儀なくされたり、外食の自粛で来店客が減ったりと、かなり苦戦しました。
ランチをやっていないこともあり、コロナが売上げに大きく影響しましたが、今は、少し落ち着き、7〜8割方のお客さんが戻ってきたように思います。

不動の定番「はさみ(ねぎま)」タレをくぐらせ、香ばしく焼き上げます!

店舗経営していく上で大切にしていることは

八島さん

なんと言ってもお客さまに喜んでいただくことです。料理が美味しいことはもちろん、心地よいサービスを感じてもらえれば嬉しいです。少しでもお客さまに喜んでいただければと思って、自家菜園の柿やさくらんぼなどの果物をサービスしたりしています。

壁に掛かった店内のメニュー板からもお店の活気を感じます

お客さまに支持されている理由は何だと思いますか

八島さん

店がこの場所にできて30年以上になることから、ずいぶん古いお客さまが付いてくださっています。その常連さんの期待や大吉ブランドの信用を裏切らないように、安定した品質や味で商品を提供できるよう努力しています。
また、オリジナルの串メニューの工夫も。例えば「こころ残り」と言われるハツとキモの蝶番(ルビ/ちょうつがい)は、普段は捨ててしまう部位ですが、丁寧に処理して串にしています。

毎日、新鮮な鶏肉をさばき丁寧に「串差しの仕込み」をしています

今後のビジョンについてお聞かせください

八島さん

身体が続く限り長くこの店を運営していきたいですね。立ち仕事は慣れていますが、毎日の串差しなどの仕込みを一人でやっているので大変です。
健康には気をつけなければいけない年齢ですので、食事や運動、時間があればウォーキングもして体重維持に気をつけるようにしています。若いときは大きな店を出したいなど野望もありましたが…老後は妻の古里タイに移住することも考えています。果たしてどうなることか(笑)

「この大吉が一番うまい」と言われるようなお店を目指していらっしゃいます!

これらから飲食店開業を目指している方に、アドバイスがありますか

八島さん

業時には大きなお金が必要になりますし、運転資金も大切です。開業前までに少しでもお金を貯めておく方が良いですね。
立地にもよりますが、他店と差別化がしやすい専門店が良いのではと思います。また、食材ロスや在庫管理、食品衛生管理なども意識してビジネスモデルを考えた方が良いと思います。

ジャックのひとこと

ジャック

「やきとり大吉」さんはフランチャイズでありながら、仕入れやメニュー構成などを店主の裁量に委ねており、売上げに関係なくロイヤリティを固定しています。開業時には本部からはメニューやレシピ、タレなどが提供され、仕入れ先などを紹介していただけるそうですが、店主自らの目で選んだ食材を仕入れることもできます。
店舗物件も駅前などの一等地を避け、住宅地などの競合店舗の少ない場所の路面店を斡旋、固定客のニーズに応じやすくすることで店舗規模と相まって比較的長期に店舗運営ができる仕組みを導入しています。
流行り廃りの激しい飲食業界にありながら、8割の店主が10年以上店舗を運営しているそうです。
八島さんの店もすでに30年以上…ビジネスモデルとして安定した繁盛ぶりです。

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