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えびすの隠れ家 鉄板ふく

代表
藤原尚匡 さん

鉄板で踊るステーキやオマール海老!
肩ひじ張らず、贅沢感が味わえる店

活きたオマール海老などの新鮮な食材で旬が楽しめるイタリアン鉄板焼きを看板に、グルメな大人が集う店として知られる中区堀川町の「えびすの隠れ家 鉄板ふく」。地元の有名イタリアンのサービスマンを経て独立、開業5周年を迎える代表・藤原尚匡さんの飲食業への想いとは?…ジャックが聞かせていただきます

飲食業に参入されたきっかけを教えてください

藤原さん

尾道市因島出身、1983年生まれの39歳です。物心ついてからは、すぐに広島市へ引越ししたので、ほとんど広島で生まれ育ったような気がします。飲食業との出会いは、国泰寺高校在学中にイタリアンレストラングループのサン・マリオでアルバイトを始めたこと。それまで中学校の時にハンドボール部、高校では柔道部と、クラブ活動でスポーツばかりやっていたので、初めてのアルバイト先となった飲食店の仕事はすべてが新鮮でした。

高校卒業後、比治山大学に進学してもマリオでのアルバイトを続け、袋町店や観音マリーナ店で働いていたのですが、もともと「大学を卒業して普通のレールを歩む人生を送りたくない」と思っていたこともあり、大学を中退してそのままサン・マリオに就職したんです。

オシャレな雰囲気でインタビューに答えてくださる藤原さん…笑顔がステキです!

なるほど、サン・マリオさんに就職されたのですね

藤原さん

サービスマンとして入社したマリオでは、とにかく鍛えられましたよ。わたしは片親に育てられたので、家であまり𠮟られた経験がないのですが、当時は、まだパワハラが当たり前の時代とあり、店ではことあるごとに雷を落とされたり、怒鳴られて社会の厳しさを思い知らされた次第です。入社後、しばらくは注文の聞き間違いや運び間違いといったオーダーミスを皮切りに、お客様の前で料理をこぼしたり、食器を落とす、接客時の気付きが足りない…などなど、ケアレスミスの連続。サービスマンとしての役目が果たせていないのだから、先輩から厳しく叱責されても仕方ありません。何度も辞めようと思いましたが、店のスタッフやお客様に引き止めていただき、なんとか踏み留まることができました。

周りの方にも支えられ、ひと通り仕事がこなせるようになると、観音マリーナ店でレストランウエディングなども手掛けた経験を買われ、27歳からは富士見町のブライダル機能を備えた大型店舗のサービスを担当することに。結局12年間、在籍したサン・マリオで様々な現場を体験したことが、今の自分の基盤になったのは間違いありません。広島の街にイタリアンレストランを定着させた池田真理雄社長の“池田イズム”が浸透する厳しいけれど実戦を学べる環境で修業できたことに感謝しています。

藤原さんは、主にホール担当…接客のプロフェッショナルです

サン・マリオさんを出られて開業されるまでは?

藤原さん

30歳を迎えた時にマリオの同僚2人と一緒に3人で独立に踏み切ったんです。市内中心部でイタリアンの店を立ち上げたのですが、3年ほど経つと、だんだんうまく回らなくなり、先行きが厳しくなってきました。妻と3人の子どもを抱える自分としては新たな道を探さなくてはいけません。当初、わたしひとりで簡単な料理やつまみを出すくらいの「BARスタイルの店をやってみようか」と考えていたところ、3人のうち、1人はその店を続けることになり、フランス料理出身で鉄板フレンチに憧れていたもう1人が「居ぬきの店を探して鉄板イタリアンを一緒にやろう」と誘ってくれました。わたしより4歳年上のこの人が、実は現在の店のパートナー(楠光男さん)です。

その店の失敗を踏まえ、2人で開業セミナーに足を運んで銀行融資などについて勉強するなど、半年ほど準備期間を置いて2017年11月19日、鉄板イタリアン料理を提供する「えびすの隠れ家 鉄板ふく」のオープンに漕ぎ着けました。店名の「ふく」は、わたしと相方の苗字、藤原の“ふ”と楠の“く”を合わせたもので「お客様に“福”がありますように」の願いも込めています。

長いカウンター鉄板とオープンキッチン、大きな窓もあって開放的なお店です

お店の特長やメニューについて教えてください

藤原さん

“新鮮なお肉や海鮮を使ったリーズナブルな鉄板焼が楽しめる隠れ家空間” をコンセプトにアラカルトからコースまで多彩なメニューを用意しています。いまや店の名物になった一日限定5食の「丸ごと活オマール海老の鉄板焼オレンジバターソース」を筆頭に、「プラインムビーフ 牛肩ロースのステーキ」、「瀬戸の旬の海鮮盛り合わせ バジル風味のバター焼き」、「ふくの鉄板焼 ポテトサラダ」などがおススメ料理ですね。

活きたオマール海老を鉄板焼きに…ふくの看板メニューの一つです

オマール海老は豪華ですね!ポテトサラダも美味しそうですね

藤原さん

お客様は30代後半から60代以上まで、ご夫婦や同伴、会社関係まで大人の方が大半です。
大人の方のご来店は、開店して4か月後くらいにテレビ新広島の「満点ママ」で紹介していただいたことで弾みがつきました。運よく放送日が祝日だったので普段はテレビを観られない方にも店をPRできたのが大きかった気がします。

自分がいつも意識しているのは料理だけでなく、“カウンター席は鉄板料理の臨場感を目の前で味わえる特等席!”といった店の空間や雰囲気も売ること。客単価が2~3万円といった高級店ではないので、みなさんに気軽に足を運んでもらえるよう“肩ひじ張らずにぜいたく感が味わえる店”のムード作りにも注力しています。

ポテトサラダを鉄板で焼いて仕上げます…ほのかに甘くしっとりとした温かいサラダです

藤原さんの経営理念やビジョンをお聞かせください

藤原さん

わたしのモットーは「情熱的かつロジカルに!」です。何かアクションを起こす際には、熱い気持ちを持つと同時に論理的な思考で取り組まないといけません。物事に向かって感情を高めながらも理にかなったアイデアを工夫するように心掛けています。

当面の目標としては、店が入居するビルの隣のテナントが半分空いているので、わたしが最初にやろうとしていたBARを開きたいですね。「ふく」と連動したBARがあれば、自分としてもお客様にまた違ったサービスを提供できるし、夢が膨らみます。乞うご期待!

整理整頓が行き届き清潔に保たれた厨房…厨房がきれいなお店は良いお店の条件です

これから飲食業界に参入される方に先輩としてアドバイスをお願いします!

藤原さん

飲食業で共通するのは資金繰りの悩みではないでしょうか?ウチの店の場合は、ビルの4階なので忙しい時は満席でも、暇になると「どうやってお客様を空中階まで呼び込むか?」を考えなくては経営の安定化を図ることができません。

では、経営を安定させるために何をしておくべきか?わたし自身も限りある人生の中で「実働できる年数があと何年あるか?」をイメージして、現場には立ちたいけれど、自分がいなくても店が回るスキームを構築する必要を感じているところです。併せて、リスクヘッジのために、ひとつの事業に固執して「これが失敗したら立ち行かなくなる」ではなく、ために“他で稼いでくれる事業”を見つけておくことも重要だと思います。

あと誰にでもできることで推奨したいのが「YOUTUBE」を積極的にチェックすること。最近は料理界でも様々なユーチューバーが登場し、「ここまでレシピを明かしても良いのか!?」と心配になるような動画をネットに上げていますが、最新のマーケティングやトレンドを知るには、何より精度の高いツールです。気になる動画を見まくって、自分の店で役立ちそうな情報取集に励んでみてください。情熱的かつロジカルに!頑張りましょう。

チーズの中で絡めるコク旨カルボナーラ…客席の目の前で完成します

ジャックのひとこと!

ジャック

ふくさんには、演出にこだわった料理が多く揃っています。鉄板焼きという客席の目の前で仕上げる料理のメリットを十分に活かし、音や匂いなど五感を刺激する美味しさを提供されています。
お客さまは、この演出のおかげで、よりお料理を美味しく感じることができ、食事を楽しむことができます。演出は、お客さまのイメージにも鮮明に残るため、これからの飲食店の料理提供方法や接客サービスには必要不可欠と言われています。

初回の来店動機は料理ですが、接客サービスやお店の雰囲気も充実しているため、リピート客が増え、常連客になっていく仕組みづくりが上手くできあがっています。
ふくさんのお料理や提供方法をはじめ、接客サービスやお店の雰囲気づくりなどは、飲食店運営をする上でとても参考になりますね!

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