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お好み焼き ささ家(株式会社SSK )

代表取締役
佐々木大輔 さん

飲食業以外にも多角経営推進中。
縁あってお好み焼き2店舗出店!

安佐南区西原の人気店「お好み焼きささ家」の2号店として、コロナ禍真っ只中の今年7月にオープンした安佐南区長束西の「鉄板焼き ささ家」。飲食店の他に不動産、自動車販売、太陽光&工事、保険代理など多角的な事業を展開する佐々木大輔さんの飲食業への想いとは?…ジャックが聞かせていただきます

様々な事業を手掛けられていますが、まずは佐々木さんの経歴をお聞かせください

佐々木さん

広島市安佐南区出身、1987年10生まれの35歳です。広島経済大学卒業後、パチンコ店に就職したのですが、どうにも馴染めず3日で退職、以来、いろいろな職種を転々とする日が始まりました。ざっと挙げてみるだけで、自動車販売、焼肉店、絵画販売、ビンテージ雑貨販売、保険代理業、アウトレット、カフェ…。おかげでいろんな分野のノウハウを勉強できたし、人脈も構築することができました。

学生時代から自分で起業したいという気持ちがあったので、結婚して子供もできたことを機に2019年2月に株式会社SSKを設立。30歳の時のことです。現在は、SSKのほかに株式会社Liberte、株式会社K`SCreateの2社が加わり、不動産売買、賃貸管理サービス、中古車・新車販売および買取、太陽光・外壁塗装・内装工事、各種保険代理店およびコンサルティング、通信事業・QR決算端末、雑貨バイヤー、Amazonヤマト運輸サービス、遊漁船、そして飲食業のささ家2店舗などの業務を手掛けています。

飲食店だけでなく、多角経営で不動産や中古車販売などいくつもの事業を手掛ける佐々木社長

飲食業に参入されたきっかけは?

佐々木さん

わたし自身も焼肉店「ぶち」やカフェ「ブルームーン・カフェ」などで飲食業に従事した経験がありますし、事業の一環として飲食業への参入も視野に入れていたところ、友人のお母さんが安佐南区西原のJR可部線下祇園駅近くで30年間営業してきたお好み焼き屋をたたんで、店がそのまま放置されているという話を聞きました。最後の頃は近所の知り合いが立ち寄るくらいだったそうで、居抜きで使えるとはいえ、いろいろな物が散乱したままのありさまでした。地域に長い間定着した店でもあり、ウチで引き継ぐことを決めてリフォームを施し、店を任せられる人材を探してみると、妻の姉の旦那さんが手を挙げてくれたんです。とはいえ、未経験だったことから独学で焼き方を勉強してもらうことになりました。最初の月は材料費を35万円くらい使って700枚以上焼くくらい猛特訓したものです。こうして2020年6月17日、「お好み焼き ささ家」のオープンにこぎ着けたのですが…。

長束にある「ささ家」の店長を務める佐藤さん…お好み焼きを丁寧に焼いてくださります

何か問題が発生しましたか?

佐々木さん

オープン3日目、素人からのスタートで、次から次へと来店されるお客さんの対応に不慣れな義兄が、床に落とした卵に足を滑らせて熱い鉄板の上に腕をついてしまいました。手の平から肘までの大やけどを負ったため、焼く人がいなくなるという緊急事態が発生し、開店早々、しばらく休業する羽目になったんですよ。

思いもよらない船出となりましたが、3年目を迎えた現在は、おかげさまで地域に親しまれる店として知名度も上がり、順調に推移しています。コロナ禍にあっても、お好み焼きの場合はテイクアウト需要が多いので、ほとんど影響ありませんでした。

肉玉そばには、山盛りのキャベツとモヤシ、厚めで大ぶりの豚肉が入ります

1号店の繁盛が「鉄板焼き ささ家」の開業につながったわけですね

佐々木さん

はい。西原店を開業してお好み焼きに可能性を感じたことから2号店を計画し、まずは居抜き店舗がないか?探してみることに。出店エリアは、近隣からの集客が見込めそうな西区井口か安佐南区長束周辺かに絞ってみました。いくつかの候補地の中で最終的に選んだのが広島文化学園大学や春日野住宅団地へ続く道沿いにある現在の店舗です。MAX60人ほど収容できる広さと、お好み焼屋の入居としてはウチで6代目となることが決め手でした。

早速、開業準備を進め、店長は地元の先輩にお願いして今年(2022年)7月7日、2号店「鉄板焼き ささ家」をオープン。アルバイトに女子大生が多いことから1号店よりも店舗や外観もポップでカラフルな雰囲気になりました。コロナの収束がまだまだみえない時期の船出ではありましたが、嬉しいことに地域のリピーターが順調に増えています。ひとつ見込み違いだったのは、近所にある大学からの客足でした。最近の学生さんは弁当持参で通う真面目な子が多く、お昼時は当初、期待したほど来店されません。授業をさぼってお好み焼き食べにくる子がもっと増えてくれれば嬉しいのですが…(笑)。

ささ家オリジナル麺「ささ麺」をしっかり焼いてパリパリに!麺の香りをしっかり感じる味わい

多角的な経営をされる中でビジネスとしての飲食業について聞かせてください

佐々木さん

様々な業種を手掛けてきましたが、経営という点では飲食業が一番難しい気がします。何しろ利益率が低い。200~300万円売り上げても50万円手残りできれば御の字といった業種なので他の事業よりも効率を図らなければやっていけません。経営者として収益を追求する人よりもオーナーシェフとして料理することが好きな人や、飲食業に魅かれる人がやるべきビジネスだと思いますね。

わたしの場合は、どの業種も自分で経験しているので、いつでも店に立って仕事をこなす自信はありますが、毎日朝から晩まで調理したり、接客しているわけではないし、現場のスタッフがやりやすいならば、それがベスト!みんなに気持ちよく仕事して欲しいので、何も口を挟まないようにしています。

じっくり焼き上げた肉玉そばのお好み焼き。麺やソースなどこだわりがいっぱいです!

佐々木さんの今後の夢や計画があれば、教えてください

佐々木さん

いつの頃からか「自分は35歳で定年したい!」と考えるようになり、今日までがむしゃらに頑張ってきました。先日35歳を迎えたのでいよいよ実行に移さねばなりません。来期からは沖縄への移住を計画しています。

以前は海外への移住を頭に浮かべていたのですが、ここ最近、年に6回ほど沖縄に釣りや旅行に行っているうちに、その魅力に取り憑かれました。完全に移住するかはともかく、当面は宮古島あたりで暮らすための準備を進めているところです

移住計画も進めていらっしゃるとのこと…目標に向かって常にアグレッシブ!

経営者として、これから開業を考えている人に何かアドバイスがあれば。

佐々木さん

今の時代にあって、会社経営はいくつかのピースで組み立てるパズルみたいな気がしています。パズルを完成するためには、どんな業種であっても「その仕事が好きだったら、わき目もふらず、とにかく一生懸命やって欲しい」ですね。頑張ったからこそ、生まれる喜びがあるはずです。

わたしも飲食2店舗の経営を通じては、自分の店がお客さんで賑わって、「この店で飲食して良かった」と笑顔で帰路についてもらうと、とても嬉しかった。飲食業への参入を目指す方には、飲み食いを通じて笑顔を増やし、人が集うコミュニティーの場を提供できるような経営を目指して欲しいと思います。

看板には大きく電話番号が!お好み焼きや焼きそばのテイクアウトやデリバリーも好評です

ジャックのひとこと!

ジャック

佐々木社長のお話しにあったように飲食店経営は、思った以上に経費がかかります。食材費、人件費だけで60%(FLコスト)に、それに家賃や光熱費、広告宣伝費などが加わると利益は10%ぐらいしか残りません。しかも、お客さまが来る来ないに関わらず、食材を仕入れ、スタッフさんを確保する必要があります。
さらに、夜遅くまで働くことが多い長時間の肉体労働で、世間の流行やコロナのような環境にも影響されることもあり…飲食業が好きでないとなかなかできない仕事です。
そのため、お店を長く継続するためには、飲食店経営のノウハウを知ること、経営者としての考え方を身につけることがとても重要となります。佐々木社長のようにいくつもの事業を手掛けている方でも難しいというぐらいですから、飲食店を開業される方は、飲食店経営について、しっかり勉強しなければなりませんね!

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