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旬魚彩鮨 水仙

料理長
川中友行 さん

幼少時からの魚好きが高じて料理人に!
信条は「顧客と従業員の満足度への挑戦」

毎朝、漁師から直接仕入れた鮮度抜群の魚介類を使った絶品料理をリーズナブルに提供する中区大手町の「旬魚彩鮨 水仙」。最近はランチタイム限定の「広島真鯛らぁめん」や「海老らぁめん」など、鮨屋ならではの新メニューも人気を集めています。爽やかな笑顔で調理場に立つ川中料理長の飲食業への想いとは?…ジャックが聞かせていただきます!

開業までの足跡をお聞かせください。

川中さん

出身地は広島県西部の島しょ部、江田島市沖美町、現在44歳です。海に囲まれた故郷で釣りや磯遊びに親しんでいたせいか、幼い頃から魚をさわるのが大好きで、高校時代は地元のスーパーの水産加工部門でアルバイトするなど、早くから「将来は魚を扱う仕事に就きたい」と考えていました。

高校卒業後は迷うことなく広島市内の和食料理店へ就職しましたが、2年ほど経った頃、調理する上で「魚の目利きなど、必要な知識を本格的に身に付けておこう」と先輩の紹介で鮮魚店へ転職。この店で5年ほど修業した後、懐石料理や寿司のお店で経験を積み、32歳から8年ほど袋町の人気居酒屋に勤務して飲食店のノウハウがわかってくると、いつしか独立したい気持ちが芽生えてきたんです。

思い立ったが吉日、すぐに踏み出したかったものの、先立つ資金がありません。「まずはお金を貯めなければ」と、夜は居酒屋、朝はデパ地下の魚屋さんのアルバイトに励むことに。寝る間を惜しんで働く生活を2年くらい続け、2018年9月14日、ようやく自分の店「旬魚彩鮨 水仙」をオープンすることができました。店名は、わたしが子供の頃からずっと母が江田島の自宅の庭で大事に育てている水仙の花に由来しています。

インタビューに答えてくださる川中さん。笑顔が素敵!

お店のイチオメニューや川中さんのこだわりを教えてください。

川中さん

イチオシメニューは、やはり店内入り口に設置した大きな生け簀で泳ぐ鯛、アナゴ、オコゼ、カワハギなど旬の魚や、カウンターのショーケースに並べたネタなど、新鮮な食材が自慢の刺身ですね。わたしが何よりこだわっているのは刺身の身の厚さです。魚の種類ごとに一番美味しい状態を見極め、ベストな厚さで包丁を引くことを常に心掛けています。本当にうまい刺身の魅力を多くの方に知っていただければ!

ぷりぷりのカワハギ。ポン酢ともみじおろしでいただくのが通好み!

開業されて、苦労されたことは?

川中さん

大手町に店をオープンして早いもので、もう4年経ちましたが、今でも何かと苦労は絶えません。ただ、そんな時、開業するまでのいろいろな経験が今の店を経営する上で役立っている気がします。特に失敗したことは良い教訓ですね。修業時代に団地や住宅地を車で回って個人で魚の移動販売をした経験もそのひとつ。

和食店や鮮魚店で培った経験を過信して「魚のことならだれにも負けない」との思いだけで新鮮な魚を安く提供する事業を思いつき、経営のことは深く考えずにスタートしたものだから見事に失敗してしまいました。借金をせずに事業化したのだけが不幸中の幸いでした。自分の甘い考えで飛びついて失敗した苦い経験を活かし、水仙を開業してからは何ごとを行うにも周りの人のアドバイスをよく聞いて“石橋を叩いて渡る”ようにしています。

新鮮な活魚を使ったお鮨をリーズナブルな価格で楽しめる!

大手町エリアの人気店として有名ですが、集客を増やすための何か取り組みは?

川中さん

鮨屋を前面に出していると顧客層は、どうしても40~50歳代の方に絞られてしまいがちです。ヤング層を引き付けるために昨年10月からランチタイム限定で「広島真鯛らぁめん」の提供を開始しました。ラーメンをメニューに採り入れたのは利益率が良いことや、取り組みやすい料理だったのが理由ですが、専門店に負けないよう鯛の旨味たっぷりの塩スープに梅、ヅケの鯛、揚げた鯛皮、ガリなど、鮨屋ならではのトッピングを施しています。おかげさまで8月から第2弾として投入した「海老らぁめん」と併せて好評をいただいており、当初の狙いである顧客層の拡大に一役買ってくれました。

話題の「鯛らぁめん」鯛の旨味たっぷりな清涼系スープともちもち麺

川中さんが店を運営する上での経営理念は?

川中さん

「お客様と従業員の満足度への挑戦」、これに尽きますね。飲食店の経営者として、お客様に満足していただける味とサービスにこだわるのはもちろんですが、共に働くスタッフに対しても労働環境や条件面など、各自が考える理想を叶えてあげたい。あと地域に愛される店として微力ながら社会貢献にも取り組みたいですね。店のPRも兼ねてはおりますが、毎年10月~5月は店舗の前に発砲スチロールの生け簀を並べ、生きた魚を泳がせて通行する人に楽しんでいただくほか、漁師直送の鮮魚をリーズナブルに販売したりしています。

店頭では生け簀で魚を販売。魚をさばいてくれることもできる!

当面の目標や夢はありますか?

川中さん

調理人を含め、職人と呼ばれる人は、一般的に頑固、偏屈、無口、怒りっぽいといったなんとなく気難しい人のイメージがあります。そういう見方からすると、魚をさわるのが好きで料理を作るのが楽しいから、この世界に進んだわたしは職人らしくないし、向いてないのかもしれません。料理の味だけでなく従業員の確保、そして集客に至るまで、飲食店の経営はやればやるほど難しさを感じますが、何はともあれ今の店をしっかり地域に定着させることに精進します。そのほか強いて挙げれば、現在ランチ営業でのみ提供しているラーメンが好評なので、鮨屋のラーメン専門店として独立させることも実現したいですね。

瀬戸内海産の鮮魚が数多く並ぶ

これから飲食店を開業される方に先輩としてアドバイスがあれば。

川中さん

自分の経験から現実的にアドバイスするとすれば「開業後の運転資金をきちんと確保しておくこと」です。店を開いた当初は、借り入れなどで手元に資金もあり、内装や設備が気になるなど、お金があるうちにあれもこれもやってみたいと思いがちですが、これは大きな間違い!当面の運転資金にはできるだけ手を付けないようにしてください。オープン直後はうまくいっても何があるかわかりませんし、やりたいことや費用のかかることは、「とりあえず儲かってから」を前提にしておくのが良いと思います。飲食店を取り巻く環境を一変させた新型コロナが収束する時期もまだまだ見えないので特に注意が必要です。

ガラス張りの明るい店内や大きな店頭ポスターが目印

ジャックのひとこと!

ジャック

お店を常に進化させ、売り方やお料理も新しいことに挑戦されています。お鮨屋でラーメンのアイデアは面白いですね!お鮨屋さんらしいラーメンで、ここでしか食べることができない個性的なラーメンに仕上がっています。
ディナーでいただける新鮮で食べ応えのあるお刺身やリーズナブルなお鮨、種類豊富な日本酒など、団体でもお一人でも楽しめますね!
また、店先をショーウインドウのように使い、生け簀や魚販売などお客さまの興味を引く演出も素敵です。

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